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インド古典音楽(ヒンドゥースタニ音楽)

 

どうしても説明が堅くなりがちなインド古典音楽。なるべく簡単に説明します。
あらゆるインドの音楽の根源とも言われるインド古典音楽。数千年も前から神々への祈りとしての「音」から始まり時代に合わせ常に
進化し人々に愛され続けている伝統芸術。
進化し続ける古典音楽、といわれる秘決はこの音楽のシステムの柔軟さ、自由さにあると思います。
通常は主奏者(シタール等),伴奏者(タブラ等とタンプーラ奏者)の2~3人で演奏されます。
主奏者はラーガという旋律のルールを守った上で即興演奏を繰り広げます。ラーガ=インド古典音楽と思って下さい。
ラーガの数は数百種類あるそうです(正確に誰も把握出来ないでしょう)。それぞれのラーガには使用される音階,より強調すべき音,使い過ぎるとダメな音,
特徴的なフレーズ等など決まりがあります。勿論それら全てに音楽的な意味合いがあり,個々のラーガ独自の「美」を表現するのに必要不可欠なんです。
また,個々のラーガにはムードの適した季節や時間帯(夜明けのラーガ,昼下がりのラーガ,春のラーガ等あらゆる瞬間のラーガが存在します)が決められており,
演奏者はなるべくタイミングを合わせて演奏するラーガを選択します。
これらをふまえたうえで奏者は即興的に長い時で1~2時間ぐらいかけてラーガを表現します。
ラーガがメロディのコンセプトなのに対してリズムサイクルのシステムをターラといいます。
アラープという最初のリズムのないゆったりかつ丁寧にラーガを表現した後,タブラとの合奏(ガット)が始まります。ラーガとターラのルール内でのセッションです。
演奏者はあらかじめ数十種存在する拍子,リズムパターン(テカ)から演奏する2つぐらいを決めるだけで演奏に入ります。タブラが決まったフレーズを繰り返してる間シタールは
自由(ラーガのルール上)に演奏し,逆にシタールが決まったフレーズを繰り返し弾きだすとタブラはあらゆる技を駆使してソロ演奏に入ります。
ここで重要なのがお互いのソロは一拍目で完結しないとダメなんです。
また,ソロを完結するサインとして最後に同じフレーズを3回繰り返す(ティハイ)という技も聴きどころの1つです。。
お互い自由に演奏してるようでバッチリ噛み合ってる秘決はこのラーガとターラにあります。
時間,曜日,季節と同様に繰り返し続ける拍子でゆっくりなテンポから徐々に加速して最後は驚く程速いテンポまで上がり完結します。

 

インドの純粋な演奏家は基本的に人を喜ばすというより自身の内に存在する神に向け毎日練習し,演奏するそうです。
楽器に対してもすごく敬意をはらって大事に扱います。跨ぐなんて事はないです。
そういう精神は昔から変わってないようで何とも素敵ですね。

結局長々と書いちゃいました。やっぱり音楽なんで実際じっくり聞いて欲しいです。勿論シタール以外でもこの素晴らしい音楽を楽しむ上で少しでも参考になれば。

 

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